完全に書物がデジタルになる日が来るのでしょうか。
・実際の新型iPadを触るとどうか。
これはもう、ため息まじりで「美しい」の一言につきる。スクリーンに写るものすべてがくっきりと
鮮やかであり、緻密だ。一見すると、そこにあるものがデジタル表示されたものとは思えない。
いわば、「触れる印刷物」だ。新型iPadを見た後には、あらゆるデジタル機器の画面が少しくすんで
古くさく感じてしまう。そのくらいiPadのRetinaディスプレイのインパクトは大きい。
Retinaディスプレイを搭載したことより、新型iPadは初代iPad登場以上のパワーで、人々の
生活を変革する力を得た。
それがもっとも顕著なのが「読む」という行為だろう。新型iPadでは日本語フォントの表示能力が
紙の印刷物と同等になっており、無理をせずに読むことができる。
これは新聞アプリを使うと一目瞭然だ。今までは拡大・縮小を繰り返さなければ読めなかった
ものが、記事の見出し一覧画面でも流し読みすることができる。長い記事を読んで目が
疲れることもない。紙の新聞の一覧性や文字の読みやすさを捨てきれなかった人も、
新型iPadならば積極的にデジタル版を選べるだろう。
そして、もっとも大きな変化と可能性を感じたのが、電子コミックである。筆者は「eBook Japan」の
アプリを使い、新型iPadで複数のコミックを読んでみたが、その快適さは先代iPad 2とは
比べものにならなかった。見開き画面でも吹き出しの中の細かな文字まで潰れることがなく、
描かれた細部の線やスクリーントーンの陰影まできちんと表示されている。文庫版コミックを
読むのと同じか、それ以上のクオリティで電子コミックが読めるのだ。
今回の新型iPadのインパクトは、それとは比較にならないほど大きなものだ。
そのユーザー体験がPCを超えただけでなく、有史以来もっとも古くて重要なメディアである
紙をも超えたのだ。紙の発明に匹敵するほどの意義を、Retinaディスプレイを搭載したiPadは
持っている。デジタルの世界が、アナログの世界についに肩を並べた。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120315-00000024-zdn_m-mobi
iPad 2の液晶画面 |
the New iPadの液晶画面 |
これから下敷きみたいなタブレットが出てきて、一人1枚の時代もあと少しのようです。